「LINEとGoogleが使えないのは知ってたけど、まさかカード会社のアプリまで開かないなんて……」
これは、私が中国に住み始めてから実際にハマったことです😅
中国のネット規制というと、LINE・Google・Instagram・YouTubeが有名です。でも実際に暮らしてみると、日本の銀行アプリ、ネットショッピング、動画配信、生成AI、さらにはWebサイトのログイン画面まで、思いもよらないところで「開かない」「読み込みが終わらない」が起こります。
私は中国・深圳に住む日本人YouTuberで、中国のネット環境とは毎日付き合っています。この記事では、中国で使えない日本のサービスの一覧と、「なぜ使えないのか」の仕組み、出発前にやっておくべき対策をまとめました。

🚦 まず結論 — 中国で日本のサービスが使えない「3つの理由」
一覧の前に、仕組みを押さえておきましょう。中国で日本のサービスが使えない理由は、大きく分けて3つあります。
| 理由 | 何が起きるか | 代表例 |
|---|---|---|
| 🧱 ① 中国のネット規制で名指しでブロック | アプリやサイトがまったく開かない | LINE・Google・X・Instagram・YouTube |
| ☁️ ② 中で使っている海外のクラウドが規制される | 開くけれど、一部が表示されない・ログインできない・とても遅い | reCAPTCHA付きのログイン画面、Android(Google Play)経由のアプリ全般 |
| 🇯🇵 ③ 日本側のサービスが海外からの接続を拒否する | 中国に関係なく「海外からは使えません」と表示される | 銀行アプリ、TVer・ABEMA、PayPayの一部機能 |
①は有名ですが、旅行者や駐在員を困らせるのは、むしろ②と③です。「規制されていないはずのサービスなのに、なぜか動かない」という現象は、ほとんどこの2つが原因です。
📋 中国で使えない日本のサービス一覧【2026年版】
それでは、ジャンル別に見ていきましょう。記号の意味は以下のとおりです。
- ⭕️ 使える
- △ 使えるが不安定・一部の機能のみ
- ❌ 使えない
💬 SNS・メッセージアプリ
| サービス | VPNなし | 備考 |
|---|---|---|
| LINE | ❌ | トークも通話も届かない。いちばん困る人が多い |
| X(旧Twitter) | ❌ | |
| Instagram・Facebook・Threads | ❌ | Meta系はすべて不可 |
| WhatsApp・Telegram | ❌ | |
| TikTok(海外版) | ❌ | 中国では国内版の「抖音(Douyin)」が使われている |
| WeChat(微信) | ⭕️ | 中国のサービスなので問題なし。日本の家族との連絡用にも便利 |
🔍 Google・検索・メール
| サービス | VPNなし | 備考 |
|---|---|---|
| Google検索・Gmail・Googleマップ | ❌ | Google系は全滅 |
| YouTube | ❌ | |
| Googleドライブ・Googleフォト | ❌ | 写真の自動バックアップも止まる |
| Google Play(Android) | ❌ | アプリのインストール・更新ができない |
| Yahoo!検索 | ❌ | 2017年ごろから規制 |
| Yahoo!ニュース・トップページ | △ | 開けるときと開けないときがある。調査によって結果が割れている |
| Yahoo!メール | ⭕️ | Yahoo! JAPANの中では比較的安定して使える |
| Outlook(Microsoft)メール・Bing | ⭕️ | Microsoftは中国の規制に沿う形でサービスを提供している |
| iCloudメール | ⭕️ |
🛒 ネットショッピング・フリマ
| サービス | VPNなし | 備考 |
|---|---|---|
| Amazon.co.jp | ❌〜△ | 開かない、または開いても極端に遅い |
| 楽天市場 | ❌ | |
| Yahoo!ショッピング・ヤフオク! | ❌ | |
| メルカリ・ラクマ | ❌ | 出品中の商品の発送連絡ができなくなるので要注意 |
💳 決済・銀行・クレジットカード
| サービス | VPNなし | 備考 |
|---|---|---|
| PayPay | ❌ | アプリを開けても、中国本土のお店では支払いに使えない |
| 銀行アプリ(三菱UFJ・住信SBIなど) | ❌〜△ | 海外からの利用を制限している銀行が多い |
| カード会社のアプリ(Vpassなど) | ❌〜△ | 私はVPNなしでは使えなかった(後述) |
| ネット証券(SBI証券など) | △ | 海外からのアクセスでは一部のサービスを止める場合がある |
| Alipay(支付宝)・WeChat Pay | ⭕️ | 中国での支払いはこちらがメイン |
🎬 動画・エンタメ
| サービス | VPNなし | 備考 |
|---|---|---|
| YouTube | ❌ | |
| Netflix | ❌ | |
| TVer・ABEMA・U-NEXT・Hulu・FOD | ❌ | 中国の規制に加えて、日本側も海外からの視聴を制限している |
| ニコニコ動画 | ❌ | |
| bilibili(ビリビリ) | ⭕️ | 中国の動画サイト。日本のアニメも多い |
🤖 生成AI
| サービス | VPNなし | 備考 |
|---|---|---|
| ChatGPT | ❌ | |
| Claude・Gemini・Perplexity・Grok | ❌ | |
| Microsoft Copilot | ❌ | 中国本土は提供地域外 |
| DeepSeek・豆包(Doubao)・Kimi | ⭕️ | 中国のAIは使える |
💼 仕事系ツール
| サービス | VPNなし | 備考 |
|---|---|---|
| Microsoft Teams・OneDrive・Outlook | ⭕️ | 比較的安定。ただし中国版とグローバル版で違いがある |
| Zoom | △ | 使えるが、回線によって不安定になることがある |
| Slack・Chatwork | △ | 使えることが多いが、地域・回線によって繋がらないという報告もある |
| Dropbox | ❌ | |
| Wikipedia | ❌ | 日本語版も含めて不可 |
🍎 Apple系
| サービス | VPNなし | 備考 |
|---|---|---|
| App Store | ⭕️ | 日本のアカウントのまま使える |
| iCloud(写真・バックアップ) | ⭕️ | |
| Appleマップ | ⭕️ | 中国では現地の地図データで表示される |
| iMessage・FaceTime | △ | 繋がることが多いが、不安定なときがある |
iPhoneユーザーはApple系がほぼそのまま使えるので、Androidユーザーより困りごとが少なめです。地図はGoogleマップの代わりに 高德地図(Amap) を使うのがおすすめです(使い方は 高德地図の使い方ガイド で解説しています)。
🧱 理由① — 中国のネット規制「グレートファイアウォール」
いちばん大きな理由が、中国政府によるネット規制です。英語では「Great Firewall(グレートファイアウォール)」、中国語では「防火長城」と呼ばれ、海外の特定のサイトやアプリへの通信を国境で遮断しています。

上の画像は、中国からWikipediaに接続しようとしたときの通信を解析した画面です。赤い行は、接続先のサーバーではなく、途中にある規制の仕組みが「接続を切れ」という信号を送り込んでいる様子です。利用者から見ると、ページが読み込まれずに「接続できません」となるだけですが、裏ではこういうことが起きています。
LINE・Google・X・Instagramなどは、この仕組みでドメインやIPアドレスを指定してブロックされています。アプリの不具合でもスマホの故障でもなく、中国の回線を使っている限りは使えないものです。
☁️ 理由② — GoogleやAWSのクラウドに頼っているサービスは不安定になる
ここからが、少し技術的な話です。でも、中国で「なぜか動かない」の正体の多くはここにあります。

いまの日本のWebサービスやアプリの多くは、自前のサーバーではなく、Google Cloud・AWS(Amazon)・Cloudflareなど海外のクラウドの上で動いています。そして、アプリの中ではGoogleなどの「部品」がたくさん使われています。
🔐 ログイン画面の「私はロボットではありません」が出ない
代表例が、ログイン画面や問い合わせフォームに表示される 「私はロボットではありません」のチェック(GoogleのreCAPTCHA) です。これはGoogleのサーバーから読み込まれるため、中国ではチェックが表示されず、ログインボタンが押せないまま止まることがあります。
サイト自体は規制されていないのに、ログインの部品がGoogle製なので先に進めない——中国でよくある「謎の不具合」の典型パターンです。
📲 Androidアプリの通知・ログインが動かない
スマホアプリでは、Googleの「Firebase」という開発基盤が広く使われています。ログイン機能、データの保存、プッシュ通知(FCM)などの仕組みです。Firebaseが使っている googleapis.com などのドメインは中国でブロックされているため、
- 🔕 Androidで日本のアプリの通知が届かない
- ⏳ アプリを開くと読み込み画面のまま進まない
- 🔑 「Googleでログイン」ボタンが反応しない
といったことが起こります。Androidはそもそも Google Playが使えないため、アプリの更新もできません。中国に行く前に、使うアプリを最新版に更新しておくのが鉄則です。
🐢 AWS・Cloudflareのサイトは「開くけど遅い」
AWSやCloudflareは、Googleのようにまるごとブロックされているわけではありません。ただし、
- 🌐 海外との通信そのものが国境で絞られていて、遅い
- 🎯 同じIPアドレスを共有している別のサイトが規制されると、巻き添えで繋がらなくなることがある
という事情から、「開くけれど、とにかく遅い」「日によって開いたり開かなかったりする」状態になりがちです。
🇯🇵 理由③ — 日本側が「海外からの接続」を断っている
3つ目は、中国の規制とは関係なく、日本のサービス側が海外からのアクセスを制限しているパターンです。

私の体験 — 三井住友カードの「Vpass」アプリが使えなかった
私が中国でハマったのが、三井住友カードの Vpassアプリ です。利用明細を確認しようとしたら、中国の回線からはどうしても使えず、VPNで日本に繋いでやっと開けました。
規制が原因なのか、カード会社側が海外からの接続を制限しているのか、原因ははっきりしていません。ただ、利用者にとっては「中国では使えないもの」として準備しておくべきアプリなのは確かです。
銀行アプリは「海外では使えない」前提で
日本の銀行やカード会社は、不正アクセスや不正送金を防ぐために、アクセス元が海外かどうかを見て、ブロックしたり追加の認証を求めたりすることがあります。たとえば、
- 🏦 三菱UFJ銀行 — スマホアプリのワンタイムパスワードは日本国内での利用に限られる(海外向けには別のサービスがある)
- 🏦 住信SBIネット銀行 — 海外からのアクセスでは利用できない場合がある
- 📈 SBI証券 — 海外からのアクセスでは一部のサービスを止める場合がある
といった案内が公式に出ています。中国の規制と日本側の制限の二重の壁があるので、中国では銀行・カードのアプリは使えないもの、と考えて準備しておくのが安全です。
動画配信は「日本からしか見られない」
TVer・ABEMA・U-NEXTなどの動画配信は、放送権の関係で日本国内からの視聴しか認めていないものがほとんどです。中国に限らず、海外からはそもそも見られません。
🛡️ じゃあどうする?使えない問題の対策
対策1:日本のキャリアの国際ローミングを使う
いちばん効果が大きいのが、日本のキャリア(ahamo・楽天モバイルなど)の国際ローミングです。ローミングでは、通信がいったん日本のキャリアを経由するので、
- 🧱 中国の規制を受けにくい(LINE・Googleが使えることが多い)
- 🇯🇵 接続元が日本と判定されやすいので、銀行アプリなど「海外お断り」のサービスも通りやすい
という、理由①と③の両方に効く強みがあります。
対策2:旅行者向けeSIMを使う
eSIMも通信が中国の外を経由するため、LINEやGoogleは使えることが多いです。ただし接続元が香港やシンガポールなどの「海外」と判定される商品が多いので、日本の銀行アプリや動画配信は使えない場合があります。
ローミング・eSIM・現地SIMの違いは 中国のSIM・eSIM・国際ローミング徹底比較 で詳しく比較しています。
対策3:VPNを使う
中国の現地SIMやWi-Fiを使う長期滞在者は、VPNで日本のサーバーに繋ぐのが基本です。日本のサーバーを選べば、理由①〜③のすべてを回避できます。ただし中国ではVPN自体も規制の対象で、繋がりにくくなる時期もあります。詳しくは VPN設定完全ガイド を参考にしてください。
対策4:出発前にやっておくことチェックリスト
ネット手段を確保したうえで、出発前に以下も済ませておくと安心です。
中国で使えるアプリの準備は 中国旅行で入れておくべきアプリ10選 にまとめています。
❓ よくある質問
Q. 香港やマカオでも同じように使えないんですか? A. 香港・マカオは中国本土とネット環境が別で、LINEもGoogleも普通に使えます。規制があるのは中国本土だけです。
Q. 日本のニュースサイトは見られますか? A. 開けるものも多いですが、遅かったり、画像や広告の一部が表示されなかったりします。サイトの中でGoogleの部品を使っているためです。Yahoo!ニュースは時期や回線によって開けたり開けなかったりします。
Q. 中国でLINEを使っている日本人はどうしているんですか? A. 短期旅行ならローミングかeSIM、長期滞在者ならVPNで使っている人がほとんどです。中国人の知り合いとはWeChatで連絡を取ります。
ちなみに私の場合、LINEを開くのは2週間〜1か月に1回くらいです。大事な友だちや日本にいる家族とは、相手にWeChatを入れてもらって、WeChatでやり取りしています。WeChatなら中国の回線でもVPNなしで普通に使えるので、「LINEが繋がらなくて連絡がつかない」ということがありません。長く住むなら、身近な人だけでもWeChatに移ってもらうのがいちばんラクです😊
Q. iPhoneとAndroid、中国で困らないのはどっち? A. iPhoneのほうが圧倒的にラクです。App StoreもiCloudも使えて、通知の仕組みもAppleのものなので届きます。AndroidはGoogle Playと通知の仕組みがGoogle製のため、日本のアプリは不便になりがちです。
Q. 「規制されていない」はずのサイトが開かないのはなぜ? A. この記事の理由②のとおり、サイトの中で使っているGoogleのログイン部品やフォント、海外のクラウドが止められていることが多いです。サイトのせいでもスマホのせいでもないので、ローミング・eSIM・VPNのどれかに切り替えて試してみてください。

✅ まとめ
- 🧱 LINE・Google・X・Instagram・YouTubeは中国の回線では使えない。 規制で名指しでブロックされている
- 🛒 Yahoo!検索・Amazon・楽天・メルカリ・PayPay・ChatGPTなども、VPNなしでは基本的に使えない
- ☁️ Googleの部品や海外クラウドを使うサービスは「開くけど動かない」。 ログイン画面のreCAPTCHAやAndroidの通知が典型
- 🇯🇵 銀行・カードのアプリや動画配信は、日本側が海外からの接続を断っていることもある。私もVpassはVPNなしでは使えなかった
- ⭕️ Microsoft系・Apple系・Yahoo!メール・WeChatは使える
- 🛡️ 対策は 日本のキャリアのローミング(日本経由で銀行アプリも通りやすい)→ eSIM → VPN の順で検討。Wi-Fiに繋ぐと効果が消える点に注意
中国では「使えないもの」を知っているかどうかで、現地での困り方がまったく違います。出発前にこの一覧をチェックして、必要な準備を済ませておいてくださいね😊
📚 あわせて読みたい
中国のネット環境の準備には、こちらの記事もセットでどうぞ。
- 📶 【2026年最新】中国のSIM・eSIM・国際ローミング徹底比較 — 結局どれが一番ラク? — 規制を受けない回線の選び方がわかります。
- 🛡️ 【2026年最新】中国でLINE・Instagram・Googleを使う方法 — VPN設定完全ガイド — 長期滞在者向けに、VPNで日本のサービスを使う方法を解説しています。
- 🏨 【2026年最新】中国のホテル・カフェのWi-Fi事情と注意点 — 「Wi-Fiに繋いだらLINEが止まった」の理由と対処法です。
- 📱 【2026年最新】中国旅行で入れておくべきアプリ10選 — 使えない日本のアプリの代わりになる、中国のアプリをまとめています。
画像クレジット: Wikimedia Commons — スマホのSNSアプリ: mikemacmarketing (CC BY 2.0) / グレートファイアウォールの通信解析画面: Akishima Yuka (CC BY-SA 4.0) / データセンターのサーバーラック: Carl Lender (CC BY 2.0) / 日本のVisaデビットカード: Rory trains (CC BY-SA 4.0) / 深圳の夜景: Andreas Bunen (CC BY 3.0)