中国旅行の準備で、ビザ・航空券の次に多い質問がこれです。
「予約したホテルに、外国人だからと断られることってあるんですか?」
結論から言うと、あります。しかも、日本の感覚だと想像しにくい理由で起こります🏨
私は中国・深圳に住んでいて、出張や旅行で国内のホテルにもよく泊まります。上海や北京のような大都市ならほぼ問題になりませんが、地方都市や安い宿になると「うちは外国人はダメなんです」と言われることが今でも普通にあります。
この記事では、なぜ断られるのか、どうやって予約前に見分けるのか、そしてチェックイン当日に何をするのかを、実際の流れに沿って解説します。
なぜ中国では「外国人お断り」のホテルがあるのか🤔
日本では考えられませんが、中国のホテルが外国人を断るのは、差別ではなく手続きの問題です。
中国では、外国人が宿泊した場合、そのホテルが 24時間以内に公安(警察)へ宿泊情報を登録する義務を負っています。これを「境外人員臨時住宿登記」と言います。パスポート番号、ビザの種類、入国日などを専用のシステムに入力する必要があり、この端末とアカウントを持っていないホテルは、そもそも外国人を受け入れられないわけです。
つまり「泊めたくない」のではなく「泊めると法令違反になってしまう」という状態です。
制度上は「ホテルは正当な理由なく外国人の宿泊を拒否してはならない」とされており、受け入れ可能なホテルは年々増えています。ただし現場のオペレーションが追いついていないのが実情で、2026年現在も「予約したのに当日断られた」という話は珍しくありません。
断られやすいホテルの特徴
| タイプ | 外国人受け入れ | 備考 |
|---|---|---|
| 国際チェーン(マリオット、ヒルトン、シェラトンなど) | ◎ ほぼ確実 | 英語も通じやすい |
| 中国の大手チェーン(華住、錦江、亜朵など)の中〜上位ブランド | ○ 多くが対応 | 都市部ならまず問題なし |
| 地方都市の格安チェーン・ローカルホテル | △ 要確認 | 断られる可能性が高い |
| 招待所・民宿・個人経営の宿 | × ほぼ不可 | 登記システムを持っていない |
| Airbnb的な民泊 | × 避けたほうが無難 | そもそも外国人の利用が想定されていない |
ざっくり言うと、「1泊150元(約3,000円)を下回る宿」や「地方都市の駅前ローカルホテル」はリスクが上がると考えておくと安全です。
予約前にできる「宿泊拒否」の避け方✅
対策はシンプルで、予約する場所を選ぶだけでほとんど防げます。
1. 外国人向けの予約サイトで取る(これでほぼ解決)
Trip.com、Booking.com、Agoda、Expedia など、外国人向けの予約サイトは、そもそも外国人が泊まれるホテルしか掲載していないことがほとんどです。なのでここで予約している限り、宿泊拒否を心配する必要はまずありません。
逆にリスクがあるのは、中国国内向けアプリ(美団、携程の中国語版など)です。こちらは中国人向けの安宿が大量に載っていて、外国人不可の物件が普通に混ざっています。
そして Trip.com の場合、ホテル詳細ページを下にスクロールしていくと、「このホテルはすべての国・地域のお客様が宿泊できます」といった記載が出てきます。ここに書かれていれば、外国人の受け入れに対応しているホテルということなので、安心して予約して大丈夫です。
2. 3つ星以上・大手チェーンを選ぶ
価格帯で言うと 1泊250元(約5,000円)以上を目安にしておくと、外国人受け入れ可の確率がぐっと上がります。ブランドで言えば以下あたりは安心感があります。
- 全季酒店(Ji Hotel)/桔子水晶(Crystal Orange)— 華住グループ
- 亜朵酒店(Atour)
- 錦江之星の上位ライン
- ホリデイ・イン エクスプレス、ハンプトン・バイ・ヒルトン
3. どうしても不安ならホテルへ直接確認する
外国人向けサイトで予約していれば基本的に不要ですが、それでも不安な場合は直接確認するのが確実です。予約確認メールに載っているホテルの電話番号に、中国語のメッセージを送るか電話をかけて確認します。中国語ができなくても、翻訳アプリでこの一文を送れば通じます。
你好,我是外国人(日本人),请问贵酒店可以接待外国人入住吗?
(こんにちは、私は外国人(日本人)です。貴ホテルは外国人の宿泊を受け入れられますか?)
「可以(できます)」と返ってくればOK。「不可以」「接待不了」なら、キャンセルして別のホテルを取り直しましょう。
チェックインに必要なもの🎒
身構える人が多いのですが、実際に絶対に必要なのはパスポート原本だけです。
| 必要なもの | 必須度 | 内容 |
|---|---|---|
| パスポート原本 | ◎ 必須 | コピーや写真はNG。宿泊者全員分が必要 |
| デポジット(押金)の支払い手段 | △ 基本は不要 | Trip.comやAgodaなど外国人向けサイトで予約した場合、求められないことがほとんど |
| 予約確認書 | △ ほぼ不要 | 提示を求められることはまずない。自分が安心するために持っておく程度でOK |

パスポートは「顔写真ページ」+「入国スタンプのページ」を見られる
いちばん大事なのがパスポート原本です。コピーやスマホの写真では通りません。同室に泊まる人全員分が必要なので、家族やグループで泊まる場合は「代表者だけフロントへ行く」ということができない点にも注意してください。
そしてフロントでは、パスポートの以下2か所をチェック・撮影(またはコピー)されます。
- 顔写真のページ(氏名・パスポート番号などの個人情報ページ)
- 最後に中国へ入国したときの入国スタンプが押されているページ
入国スタンプは、いつ入国したか=滞在が合法かどうかを確認するために見られます。ビザなし渡航でも同じです。スタッフがページを探して手間取ることがあるので、入国スタンプのページに付箋を挟んでおくとスムーズですよ😊
中国のホテル、チェックインの流れ🛎️
実際にフロントで何が起きるのかを、順番に見ていきましょう。
なお、フロントで顔写真の撮影を求められることもありますが、ないことのほうがほとんどです。
デポジット(押金)は基本的に不要
以前は「中国のホテル=チェックイン時にデポジットを預ける」が当たり前でしたが、最近はほとんど求められません。特に Trip.com や Agoda など外国人向けの予約サイトで事前決済しておけば、フロントで追加の支払いが発生することはまずないと考えて大丈夫です。私自身、ここ最近でデポジットを払った記憶はほぼありません。
とはいえ、ホテルや地域によっては今でも求められることがあります。そのときの準備だけ頭に入れておきましょう。
- 金額:1泊100〜500元程度(ホテルのグレード次第)
- 支払い方法:Alipay・WeChat Pay のQR決済か現金の2択
- 返金:チェックアウト時に部屋の点検が終わってから返ってくる。現金なら現金でその場で戻ってくるが、QR決済で払った場合は返金に3〜7営業日かかることがある
部屋に入ったら最初にやること🔑
日本のホテルと違って戸惑いやすいのが、部屋の電源です。

中国のホテルはほぼ例外なく、入口の壁にカードを挿すスロット(插卡取电)があります。ここにルームキーを挿さないと、照明もエアコンもコンセントも一切通電しません。「部屋が真っ暗、エアコンが動かない」と焦る人が多いですが、たいていはこれが原因です。
逆に言うと、外出時にカードを抜くとエアコンも止まります。夏の広州や重慶で外から戻ると部屋がサウナ状態、というのはあるあるです。長時間の外出でなければ、使い終わったポイントカードなど適当なカードを挿しておく人もいます(自己責任で)。
そのほか、中国のホテルで覚えておくと快適なポイントです。
- 🪥 アメニティは持参が安心:環境規制で使い捨て歯ブラシ・カミソリを置かないホテルが増えています。フロントに言えばもらえることも多いですが、自分の歯ブラシがあると確実です
- 🫖 水道水は飲めません:部屋の電気ケトルで沸かすか、無料で置いてあるミネラルウォーターを使ってください
- 🔌 コンセントは日本のプラグがそのまま挿せることが多い:中国のコンセントは日本と同じAタイプの穴が併設されていますが、電圧は220Vなので機器の対応電圧は要確認です
- 📶 ホテルのWi-Fiでも規制は同じ:LINEやInstagram、Googleは中国のホテルWi-Fiでも使えません。VPNは日本にいるうちに準備しておく必要があります
ホテル以外に泊まる場合は自分で登記が必要🚨
友人宅や親戚の家、会社の借り上げアパートなどに泊まる場合、ホテルが代行してくれる登記を自分でやる必要があります。

到着から 24時間以内(一部の農村部では72時間以内)に、滞在先を管轄する 派出所(公安派出所) へ行き、臨時住宿登記を行います。持っていくものは以下です。
- 自分のパスポート(原本)
- 滞在先の住所がわかるもの
- 家主・宿泊させてくれる人の身分証、および同行
登記が済むと「住宿登記表」という紙が発行されます。この紙はビザの延長申請などで求められることがあるので、必ず保管しておいてください。
最近は「オンライン登記」でOKの都市も増えています📱
上海・北京・広州・深圳といった大都市を中心に、この登記がオンラインで完結する地域が増えています。地元の公安が提供する微信ミニプログラムやアプリからパスポート情報と滞在先住所を登録するだけで、わざわざ派出所まで足を運ぶ必要がありません。
対応状況は都市ごとにバラバラなので、まずは滞在先の家主に「オンラインでできるか」を聞いてみるのが早いです。オンラインが使えない地域だったときだけ、派出所に行けばOKですよ😊
よくある質問(FAQ)❓
Q. 当日、フロントで「外国人はダメ」と言われたらどうすればいい? まず予約サイトのアプリからサポートに連絡してください。Trip.comやBooking.comは代替ホテルの手配やキャンセル対応をしてくれます。その場で押し問答するより早いです。
Q. 中国語が話せなくてもチェックインできる? できます。パスポートを出せば、あとはホテル側が主導で進めてくれます。翻訳アプリを1つ入れておけば十分です。
Q. チェックイン時間より早く着いてしまったら? まずフロントで聞いてみてください。中国のホテルは部屋さえ空いていれば、チェックイン時間前でもそのまま入れてくれることが多いです。15時チェックインのホテルに10時ごろ着いて、そのまま部屋に通してもらえた、というのは普通にあります。この融通の利き方は日本のホテルより明らかにラクです。もし部屋が空いていなければ「寄存行李(jìcún xínglǐ/荷物を預ける)」と伝えれば、荷物を預かってもらえます。
Q. パスポートは預けたままになる? なりません。撮影が終わればその場で返してもらえます。もし返却を忘れられていたら、必ずその場で確認してください。
Q. 未成年の子ども連れの場合は? 子どももパスポートが必要です。同じ部屋に泊まる全員分の情報が登記されます。
まとめ📝
中国のホテルは、予約する場所さえ間違えなければ怖くありません。
- 中国では外国人の宿泊に公安への登記義務があり、対応できないホテルは受け入れを断る
- Trip.comなど外国人向け予約サイトは外国人が泊まれるホテルしか載せていないので、ここで予約すればまず問題ない
- Trip.comならホテルページ下部の「すべての国・地域のお客様が宿泊できます」の記載を確認しておく
- チェックインに必須なのはパスポート原本だけ。顔写真ページと最後の入国スタンプのページをスタッフがスマホで撮影する
- デポジットは基本的に不要。求められたら払う、くらいの心構えでOK
- 部屋に入ったらカードキーを壁のスロットに挿す(挿さないと電気が点かない)
- ホテル以外に泊まる場合は24時間以内に登記。大都市ならオンラインで完結することも増えている
このあたりを押さえておけば、中国のホテルは設備も清潔さもかなり快適です。むしろ同じ価格帯なら日本より広い部屋に泊まれることも多いので、安心して楽しんでください😊
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画像クレジット: Wikimedia Commons — カバー(長春華天酒店のロビー): N509FZ (CC BY-SA 4.0) / ホテルのフロント(京鉄大酒店): N509FZ (CC BY-SA 4.0) / 日本のパスポート: Evisa Express (CC BY 2.0) / 客室のカードキー電源スイッチ: HSOMWEI mATIWM Uatnm LUNGA (CC0) / 公安派出所: ·˙·ChinaUli2010·.· (CC BY 3.0)